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JANGA TECH COLUMN |

属人化をなくすことは、人の価値をなくすことではない

仕事を再現できる形にし、人にしかできない判断と顧客対応へ時間を戻す

執筆:株式会社ジャンガ・テックメディアチーム、アイちゃん

代表取締役 劉 桂栄(りゅう けいえい)の経営観をもとに、メディアチームが構成・執筆しています。

経験者が業務の判断点をチームへ共有し、仕事を組織の資産へ変えるイメージ
繰り返せる仕事と、人の経験が必要な判断を分けることから、強い組織づくりが始まります。※記事内容を表現した生成イメージです。

前回の「変化に強い会社は、早く学び直せる会社」に続き、今回は経験を一人の中に閉じ込めず、組織の力へ変える標準化を考えます。

会社には、「この仕事はあの人でなければできない」という場面があります。それは、その人が積み重ねた経験と責任感の証しです。一方で、仕事の進め方や判断の理由が本人の頭の中だけにあると、休暇、異動、退職、急な業務増加のたびに、組織全体が止まりやすくなります。

属人化をなくす目的は、人を機械のように扱うことではありません。繰り返せる仕事を誰でも再現できる形にし、人にしかできない判断、育成、顧客対応へ時間を戻すことです。

「できる人に任せる」だけでは、組織の力にならない

優秀な人に仕事が集まると、短期的には速く進みます。しかし、その人だけが確認し、その人だけが例外を判断し、その人だけがお客様の経緯を知っている状態が続けば、本人の負担は増え、周囲は育ちません。

経営者が見るべきなのは、「誰が忙しいか」だけではなく、「なぜその人にしかできないのか」です。情報が分散しているのか、手順が共有されていないのか、判断基準が言葉になっていないのか。原因を分けると、標準化すべき部分と、人の経験を生かす部分が見えてきます。

標準化するのは、人ではなく仕事の土台

標準化という言葉から、全員を同じ型にはめることを想像する人もいます。しかし、本来そろえるべきものは、入力項目、確認順序、保管場所、承認の流れ、期限などの「仕事の土台」です。

土台がそろえば、社員は「どこに情報があるか」「次に誰へ確認するか」を探す時間から解放されます。そのうえで、例外への判断、お客様への説明、相手に合わせた提案などに、それぞれの経験や強みを使えます。

経験者が若手社員へ判断の考え方を伝え、手順とともに記録するイメージ
手順だけでなく、なぜその判断をしたのかまで共有すると、経験は組織の育成資産になります。※記事内容を表現した生成イメージです。

経験を「手順」と「判断」に分けて引き継ぐ

説明用の例として、月末の確認業務を引き継ぐ場合を考えます。「一覧を開き、未処理を確認する」までは手順です。一方、「この申請はいつもと違うので、担当者へ背景を聞く」は判断です。

手順だけを残しても、例外が起きたときに止まります。判断だけを口頭で伝えても、後から理由をたどれません。次の三つを分けて残すことが大切です。

  • 事実:どの情報を、いつ、どこで確認するか。
  • 分岐:通常と例外を、どの条件で見分けるか。
  • 理由:なぜその判断を選び、誰にどの影響があるか。

これにより、若手社員は単なる作業者ではなく、判断の背景を学ぶことができます。経験者も、同じ説明を何度も繰り返す負担を減らし、より難しい課題に集中できます。

AIは、標準化と育成をつなぐ補助役になる

AIは、複数の手順書を整理したり、よくある質問を分類したり、抜けている確認項目を見つける補助ができます。日々の問い合わせや対応記録から、繰り返し発生している課題をまとめることもできます。

ただし、AIが示した整理結果をそのまま会社の基準にしてはいけません。法令、社内ルール、お客様との約束、個別事情を確かめ、最終的な基準と責任を人が持つ必要があります。AIに任せるのは整理と候補づくり。何を標準にし、どこを人の判断として残すかは、経営者と現場が決めます。

業務が整理され、社員がお客様との対話に集中するイメージ
確認や転記に使っていた時間を、相手を理解し価値を届ける時間へ戻します。※記事内容を表現した生成イメージです。

SURUPAsで、人事労務の情報と流れを一つにつなぐ

人事・労務の仕事が紙、Excel、メール、個別システムに分かれていると、担当者ごとに保管場所や確認方法が変わりやすくなります。引き継ぎのたびに説明が必要になり、情報の探し直しや二重入力も生まれます。

SURUPAs(スルパス)は、社員情報、勤怠、給与、申請、評価などの情報をつなぎ、業務の流れを整理するクラウドサービスです。ジャンガ・テックは、機能の導入だけでなく、誰が入力し、誰が確認し、どこで判断するかをお客様と整理し、継続して活用できる仕組みづくりを支援します。

経営者が今週確認したい三つのこと

  • 休むと仕事が止まる人、質問が集中している人はいないか。
  • 引き継ぎ資料に、手順だけでなく判断条件と理由が残っているか。
  • 標準化で生まれた時間を、育成や顧客価値へ振り向けているか。

属人化をなくすことは、ベテランの価値を小さくすることではありません。むしろ、その人の経験を一人の中に閉じ込めず、次の人を育て、組織全体の力へ変えることです。

人がいなくても回る会社ではなく、人の経験が次の人へつながり、より価値の高い仕事へ進める会社をつくる。それが、AX時代の標準化です。

執筆:株式会社ジャンガ・テックメディアチーム、アイちゃん